私は自他共に認める所謂「理屈っぽい」人間ということになっているのですが、この理屈っぽさはビジネスの世界では「論理的思考」と言い換えられて、なにやら良いことのような扱いを受けることがあります。
実際、仕事上発生する問題を解決するにあたって、この論理的思考はことのほか役に立つことが多いと感じるのも事実です。
しかし、それだけでは良い経営者にはなれないということに気づかせてくれるブログエントリーを読みましたので、ここでもそれを紹介したいと思います。
「情報収集力、論理的思考力が高まった人のマイナス部分」−モチベーションは楽しさ創造から(ベンチャーマネジメント代表の小林氏のブログ)
http://d.hatena.ne.jp/favre21/20081028#1225153364
=====以下引用=====
多くの情報に基づく、冷静な分析を行い、論理的な判断を下していく。そのような事ができる人がとても増えています。これは、とても良いことだと思うと同時に、心配な事でもあると思うのです。
多くの情報に基づく、冷静な分析を行い、論理的な判断をしていくという事が初心者の頃は、「脅威」や「問題」にばかりが目に入ってくるようになるからです。
(中略)
情報が入手される中、何が目に付くかというと、マイナス情報、危機情報が特に目に付きます。マイナス情報は、緊急に処理しないといけない話が多いからです。たくさん情報が入ってくればくるほど、そのマイナス情報が蓄積されてきます。
また、「最近、売上が下がってきている。今後、売上アップの方法を考えよう」というテーマがあったとします。その際、論理的に考えようとすると、「まず、売上が最近下がった原因」を考えようとします。「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」を繰り返す。
繰り返せば、繰り返すほど、マイナス原因が分かってきます。
(中略)
このような事が習慣化されると、「脅威」や「問題」にばかりが目に付くようになり、「チャンス」が目に入ってこなくなる。プラス情報も、ニュースや現場からもちろん入ってくるのですが、つい優先度を低い形で処理してしまうようになる。たくさんのマイナス情報に囲まれていると、その緊急性に気を取られすぎる形になるのでしょう。
=====引用終わり=====
問題を分析しようとすると、悪い現象の原因というマイナス情報に目が行き、その緊急性に気を取られすぎる。
まさに的を射た指摘です。
私も、こういう状態に陥ってることがよくあったように思います。それはそれで、重要な活動だと思っていますし、その結果、とても慎重に物事を運ぶようになりました。
しかし、元記事でも指摘されているように、新しいビジネスを生み出していくのに必要なのは、いかにチャンスを見つけていくか、という点です。
元記事では、それは、自らの弱みや脅威などのマイナス情報を、プラス情報として捉えることができている経営者は強い、という話でした。
問題の解決を図るための分析は、言ってみれば後ろ向きの論理展開です。現在より過去に向かって、因果の連鎖を辿っていきます。
新しい価値を生み出す経営者は、リスクをチャンスと捉える思考の習慣ができています。(元記事ではチャンス思考と命名しています)
このチャンスを発見する思考習慣に、論理的思考が加わることで、さらにその強みを増すことができるはずです。
こちらは、前向きの論理展開です。現在より未来に向かって、因果の連鎖を創造していきます。
この未来への論理展開ができるかどうかが、新しいビジネスや、将来の危機を回避する、重要なスキルであることが、今はわかります。
「理屈っぽい」という言葉は、その響きからしてネガティブなイメージがあります。
これは、人々がこの記事で取り上げたような論理思考のデメリットを、直感的に理解しているからなんでしょうね。
私も単なる理屈屋で終わらず、先を見通せる思考スキルを磨いていきたいと思います。
2008年10月30日
2008年07月14日
顧客対応の超基本〜トレードオフを説明する〜
私は未読なのですが、「コンサルタントの秘密」という本に、「オレンジジューステスト」という、クライアントが業者を試すという話があるそうです。
---
パーティーを開くクライアントが、「朝7時に、700人が絞りたてのオレンジジュースで乾杯する朝食会を開いてくれ」とリクエストしてきます。
ホテルの宴会係は「それはできます、しかし○○の準備が必要です」と伝えます。
すると、クライアントは、「君はオレンジジューステストに合格した」といいます。
宴会係が「それは何のことか」と問うと、
クライアントは、「無理な話をお安い御用です、という人は信用できない」と言います。
---
この話は、
<顧客対応の超基本「○○はできます、しかし△△日かかります」>
というブログ記事からの引用なのですが、記事の筆者の谷口さんという方はこの話を以下のようにまとめています。
>何事にもトレードオフ(何か求めれば他の何かを犠牲にしなくてはいけない)は発生しますが、仕事が長期的なものほど、トレードオフを説明できない人が間に立つと、クライアントも業者も不幸になります。
>まともなクライアントは、まともな相手を好む、ということを「オレンジジュース・テスト」は伝えています。
これは、私も含めたうちのスタッフが、時折陥ってしまうことがあった現象です。我々は今、まさにこのテストにいつでも合格できる様、変わろうとしているところです。
顧客と業務の間に立つ、営業担当や業務ディレクターは、
・断ればもう仕事をもらえないのではないか。
・顧客満足とは断らないことではないのか。
と常に頭を悩ませています。
しかし、わざわざ長期的視点に立たなくとも、無理なことを実行することが、お互いの成功に繋がるはずがないのです。
また、賢明な顧客は、トレードオフの存在を認識さえできれば、適切な対応に協力してもらえると感じています。
トレードオフを説明する、という基礎を実行するには、少し勇気が必要です。
顧客の機嫌を損ねるかもしれない、という刹那的な恐怖感を克服しなければできないことです。
しかし、この些細な恐怖感を越えた先には、よりよいサービスや付加価値の実現と、顧客とのより強固な信頼が待っている可能性が高い。
引用させて頂いた記事は、適度な長さでとてもよくまとまっているので、スタッフにもよく読ませて参考にしてもらおうと思います。
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パーティーを開くクライアントが、「朝7時に、700人が絞りたてのオレンジジュースで乾杯する朝食会を開いてくれ」とリクエストしてきます。
ホテルの宴会係は「それはできます、しかし○○の準備が必要です」と伝えます。
すると、クライアントは、「君はオレンジジューステストに合格した」といいます。
宴会係が「それは何のことか」と問うと、
クライアントは、「無理な話をお安い御用です、という人は信用できない」と言います。
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この話は、
<顧客対応の超基本「○○はできます、しかし△△日かかります」>
というブログ記事からの引用なのですが、記事の筆者の谷口さんという方はこの話を以下のようにまとめています。
>何事にもトレードオフ(何か求めれば他の何かを犠牲にしなくてはいけない)は発生しますが、仕事が長期的なものほど、トレードオフを説明できない人が間に立つと、クライアントも業者も不幸になります。
>まともなクライアントは、まともな相手を好む、ということを「オレンジジュース・テスト」は伝えています。
これは、私も含めたうちのスタッフが、時折陥ってしまうことがあった現象です。我々は今、まさにこのテストにいつでも合格できる様、変わろうとしているところです。
顧客と業務の間に立つ、営業担当や業務ディレクターは、
・断ればもう仕事をもらえないのではないか。
・顧客満足とは断らないことではないのか。
と常に頭を悩ませています。
しかし、わざわざ長期的視点に立たなくとも、無理なことを実行することが、お互いの成功に繋がるはずがないのです。
また、賢明な顧客は、トレードオフの存在を認識さえできれば、適切な対応に協力してもらえると感じています。
トレードオフを説明する、という基礎を実行するには、少し勇気が必要です。
顧客の機嫌を損ねるかもしれない、という刹那的な恐怖感を克服しなければできないことです。
しかし、この些細な恐怖感を越えた先には、よりよいサービスや付加価値の実現と、顧客とのより強固な信頼が待っている可能性が高い。
引用させて頂いた記事は、適度な長さでとてもよくまとまっているので、スタッフにもよく読ませて参考にしてもらおうと思います。
2008年06月21日
Fortune500企業のexecutiveが挙げる必要なビジネススキル
先日お会いしたフォロードリームの内田さんのお話に、フォーチュン500企業のトップエグゼキュティブが挙げるビジネススキルのお話がありました。
なんでも、必要なビジネススキルトップ20のほとんどが、「人間力」に関することだそうです。
戦略の策定能力や、財務分析力、マーケティングスキルや、部下の管理能力などではなく、人間味そのものを問うようなスキル。
トップ5を占めたのは、以下の5つだそうです。
・Honesty
・Forward Looking
・Competent
・Inspire
・Consistent
それぞれ、
・正直さ
・前向きさ
・他者とは違う強み
・他者の鼓舞
・一貫性
とでも訳せるでしょうか。
一番最初に「Honesty」が来ているところに、人間とビジネスの関係の本質を窺い知ることができるような気がします。
そして一貫性。アジア随一のヴィジョナリーパーソンである孔子の「一を以て之を貫く」という至言を持ち出すまでもなく、多くの人を魅了する姿勢がこの一貫性という資質だと思います。私もとても大切にしている言葉です。
この一貫性を体現していることで、若者の絶大な支持を得ているのが、アップル社CEOのスティーブ・ジョブス氏です。次回は、彼の有名なスピーチを紹介します。
なんでも、必要なビジネススキルトップ20のほとんどが、「人間力」に関することだそうです。
戦略の策定能力や、財務分析力、マーケティングスキルや、部下の管理能力などではなく、人間味そのものを問うようなスキル。
トップ5を占めたのは、以下の5つだそうです。
・Honesty
・Forward Looking
・Competent
・Inspire
・Consistent
それぞれ、
・正直さ
・前向きさ
・他者とは違う強み
・他者の鼓舞
・一貫性
とでも訳せるでしょうか。
一番最初に「Honesty」が来ているところに、人間とビジネスの関係の本質を窺い知ることができるような気がします。
そして一貫性。アジア随一のヴィジョナリーパーソンである孔子の「一を以て之を貫く」という至言を持ち出すまでもなく、多くの人を魅了する姿勢がこの一貫性という資質だと思います。私もとても大切にしている言葉です。
この一貫性を体現していることで、若者の絶大な支持を得ているのが、アップル社CEOのスティーブ・ジョブス氏です。次回は、彼の有名なスピーチを紹介します。
2008年06月05日
田村参議院議員に聞く。
今日は、とある勉強会にて自民党の田村耕太郎参議院議員のお話を聞く機会に恵まれました。
http://kotarotamura.net/
最近アラブのアブダビ投資庁や、中国のCICなどの政府系ファンド、通称SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)の話題をちらほら聞くようになりましたが、田村議員は日本版SWFの設立に向けて、今まさに他の議員を巻き込んで奮闘しているそうです。
そんな日本版SWFがなぜ必要でどんな変化を起こすことができるのか、というような背景の話を詳しく聞くことができました。
様々な争点や課題に応える形で田村議員はこの日本版SWFの設立という結論に辿り着くわけなのですが、ここでは一言でまとめてみます。
今日本は、世界の原油や穀物価格の高騰などによってもたらされている産業の採算の悪化=株価の低迷という問題や、食料・エネルギー自給率の低さ、閉鎖的な金融市場といった問題を抱えていますが、これらを打破するために、日本がもつ数少ない世界的アドバンテージである世界最大の金融資産を活用して国としての国際的な魅力をもう一度高める勝負をかける、という趣旨のようです。
この一策に、まさに国の未来をかけて勝負をしようとしている意気込みが伝わってきて、大変刺激を受けました。
そんなお話のあとで、議員さんがどうやって政策を実現していくのか、田村議員に直接聞いてみました。
金融政策だけでなく、福祉や教育、年金改革、日本の外交や国連とのかかわり方、ODAのあり方など、様々な方面で、「こうあるべき」というとても優れた案が出ているように思います。しかし、それらを実現していくには、日本の政治界というのは柔軟さに欠けるように見えてなりません。こういう志ある議員の方々は、どのようにそういった優れた政策を実現していくのか。
普段政治家の方とお会いする機会はそうありませんが、直接話す機会に恵まれたら聞いてみたいと常々思っていました。
意外にも、回答と合わせて、面白いアドバイスを頂けました。
なんでも議員さんに求められるのは、総合力、ということで、良い政策やプレゼンテーション能力のほかに、人間としての魅力、声の大きさ、目上の人に好かれること、「ギャップ」、そして可愛げだそうです。
結局このギャップや可愛げ、というのも人に好かれて、巻き込んでいくためのスキルということですが、これは非常に勉強になりました。
「できる雰囲気」や「知性」、「正論」ばかりでは、賛同者も生まれるが敵も作ってしまう。
微妙に自分を崩して見せるなどして自分に対する期待値を意図的に下げてみたり、「可愛げ」を感じられる人柄を身に着けることで、本当に多くの人の力を集められるのだそうです。
そして、政策を実現するのは、結局は数の力。所詮、一人では「一票」の力に過ぎないということだそうです。こうやって協力者を増やして、辛抱強く実現まで粘るのだそうです。
私も、自分の事業を発展させ、ビジョンを実現していくために、多くの人の協力が必要です。
より多くの人に、まずは自分に興味を持ってもらうためにも、やはりこういった「可愛げ」のようなものは自分にももっと必要だなと痛感しました。一朝一夕で身につくものではありませんが、そこは私も粘り強く、努力したいと思います。
またひとつ、大事な勉強ができた夜でした。
http://kotarotamura.net/
最近アラブのアブダビ投資庁や、中国のCICなどの政府系ファンド、通称SWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)の話題をちらほら聞くようになりましたが、田村議員は日本版SWFの設立に向けて、今まさに他の議員を巻き込んで奮闘しているそうです。
そんな日本版SWFがなぜ必要でどんな変化を起こすことができるのか、というような背景の話を詳しく聞くことができました。
様々な争点や課題に応える形で田村議員はこの日本版SWFの設立という結論に辿り着くわけなのですが、ここでは一言でまとめてみます。
今日本は、世界の原油や穀物価格の高騰などによってもたらされている産業の採算の悪化=株価の低迷という問題や、食料・エネルギー自給率の低さ、閉鎖的な金融市場といった問題を抱えていますが、これらを打破するために、日本がもつ数少ない世界的アドバンテージである世界最大の金融資産を活用して国としての国際的な魅力をもう一度高める勝負をかける、という趣旨のようです。
この一策に、まさに国の未来をかけて勝負をしようとしている意気込みが伝わってきて、大変刺激を受けました。
そんなお話のあとで、議員さんがどうやって政策を実現していくのか、田村議員に直接聞いてみました。
金融政策だけでなく、福祉や教育、年金改革、日本の外交や国連とのかかわり方、ODAのあり方など、様々な方面で、「こうあるべき」というとても優れた案が出ているように思います。しかし、それらを実現していくには、日本の政治界というのは柔軟さに欠けるように見えてなりません。こういう志ある議員の方々は、どのようにそういった優れた政策を実現していくのか。
普段政治家の方とお会いする機会はそうありませんが、直接話す機会に恵まれたら聞いてみたいと常々思っていました。
意外にも、回答と合わせて、面白いアドバイスを頂けました。
なんでも議員さんに求められるのは、総合力、ということで、良い政策やプレゼンテーション能力のほかに、人間としての魅力、声の大きさ、目上の人に好かれること、「ギャップ」、そして可愛げだそうです。
結局このギャップや可愛げ、というのも人に好かれて、巻き込んでいくためのスキルということですが、これは非常に勉強になりました。
「できる雰囲気」や「知性」、「正論」ばかりでは、賛同者も生まれるが敵も作ってしまう。
微妙に自分を崩して見せるなどして自分に対する期待値を意図的に下げてみたり、「可愛げ」を感じられる人柄を身に着けることで、本当に多くの人の力を集められるのだそうです。
そして、政策を実現するのは、結局は数の力。所詮、一人では「一票」の力に過ぎないということだそうです。こうやって協力者を増やして、辛抱強く実現まで粘るのだそうです。
私も、自分の事業を発展させ、ビジョンを実現していくために、多くの人の協力が必要です。
より多くの人に、まずは自分に興味を持ってもらうためにも、やはりこういった「可愛げ」のようなものは自分にももっと必要だなと痛感しました。一朝一夕で身につくものではありませんが、そこは私も粘り強く、努力したいと思います。
またひとつ、大事な勉強ができた夜でした。
2008年04月30日
カテゴリー説明:Road to CEO
このカテゴリーでは、私が経営者として学んだこと気づいたこと、反省したこと、ぶちあたった困難等を綴っていきます。


