2009年11月26日

パンカクは日本ベンチャーの希望だ。

パンカクという会社があります。

「ヤン」こと柳沢社長率いる、新進気鋭のiPhoneアプリ開発ベンチャー企業です。


ヤンは、大学時代の「サイバービジネス実践」というゼミの同期であり、同じチームで一緒にビジネスプランを毎日練ったり、実際にサービスを立ち上げたりしていた仲間の一人。


パンカクの塚田取締役もその時のメンバーだ。


(他のメンバー出身経営者に、株式会社じげん(旧株式会社ドリコムジェネレーティッドメディア)の平尾社長がいる。)



今年の年明け頃に、パンカクが自社開発・販売したiphoneアプリが、全世界のアプリ売り上げランキングで一位になり、日経にも取り上げられたりしていた。


ちょっと前のニュースになるが、そのパンカクがまたもや快挙を成し遂げた。

--シリコンバレーのビジネスコンテスト「PACT」にて最優秀賞を受賞!
http://d.hatena.ne.jp/yxy/20091104

プレスリリース引用
iPhone向けアプリケーションの開発を行っている株式会社パンカク (所在地:神奈川県藤沢市、代表取締役:柳澤康弘、以下パンカク)は、2009年10月29日(現地時間)に行われたシリコンバレーでも有数のインキュベーションセンターであるPlug and Play Tech Center主催による、世界中のベンチャー企業を対象としたビジネスコンテストPlug and Play Acceleration and Collaboration Track(PACT) 2009にて、世界中から選抜された47社の中から最も革新的な3社に送られる「Innovation Winner」として表彰されました。

これ、ホントに凄い。凄いというか、偉い。


日本発で世界で通用するサービスがほとんどない、作らないとだめだ、なんて話をよく聞く。

なぜ日本発で世界に通用するサービスが作れないか、なんて評論もよく見る。

話は簡単で、日本以外の国の人々に喜ばれるサービスがどんなもので、その人たちが求めているのはどんなことなのか、真剣に考えている人がほとんどいないから。


みんな国内、それも東京のことだけを見ている人がほとんどだ。


世界のマーケットを真剣に見ていないのに、突然世界で流行る、世界の多くの人に受け入れられるサービスが生まれるわけがない。


それを、アーリーステージから真剣に考え、実践し、成果を出し、それが「実現可能」ということを示し続けているパンカクの活躍に感動する。


日本経済が縮小している中で、国外のマーケットに目を向けろと多くの人が言っている。

でもなかなかアクションできているところは少ない。言ってる人は多いが、やってる人は本当にまだまだ足りない。


「まず日本のマーケット」という思考停止を脱せよ、とヤンは言う。


最近中国市場への進出を検討し、うちに相談に来る企業が増えてきているが、そういうチャレンジングな企業は本当に賢明だと思う。


ただうちも拠点こそ海外にあるが、全世界規模で商売を考えられているかと言うと、全くできていない。


今後の展開を考えるとき、常にパンカクの存在が頭をかすめ、勇気をもらうのです。


パンカクはアーリーステージベンチャーにこれ以上ない励みをくれる、希望の会社だと思う。

日本経済の未来のために、今後も爆進していって欲しい。


フオジンもそんな会社であるために、中国でのプレゼンスをもっともっと高めていかなければならないと、想いを新たに強くしました。


目指すは日本発中国一、日本発世界一、です。
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2008年10月02日

フェアトレードは誰のためのビジネスか。2

前回の記事の続きです

フェアトレードというビジネスは、調達価格、環境、人権を守るのに必要なコストを負担できる豊かな層に対して、富の再分配による社会正義への貢献という価値を提供していることになります。

顧客(世界的に見れば富裕層に属する)は、コレに対してお金を払います。

これが、フェアトレード団体が支援したいと願う人々に対して行なう活動の、活動資金源になっています。


これは、所謂「富のピラミッド」の頂点に位置する少数の人々の中でもさらに少数派を対象にした、非常に狭いマーケットを狙うビジネスモデルということです。

彼らのニーズに応えるために、適正な価格で、適正な方法で、その商品を製造、調達することができ、その周辺に適正な雇用を生み出すことができますが、それはピラミッドの底辺(BOP - bottom of pyramid)を締める巨大な人口(40億人程度)から見て、極めてわずかな雇用しか生めません。

そしてこれは、自然発生的に広がっていき辛い仕組みになっています。(前回の記事参照)


こう考えるようになったのには、きっかけがありました。

実は、この「富の再分配」という発想では、そこまで大きな効果を得られないという問題は、弊社のビジネスから時折感じることでした。

弊社フオジンの理念の一部に、先進国で国際分業を進めながら、発展中地域での雇用を創出するという側面があります。(参考:フオジンの理念 http://www.huojin.com/mission.html )

ただ、先進国から移転されてくる富や雇用は、確かに現地に多くの雇用を作れるのですが、それはそこで必要とされている働き口の数からすれば、本当に微々たるものだと気づきました。

また、先進国側で、分業の必要性を訴えて訴えて、ようやく現地で雇用が生まれるので、これもやはり自然発生的に広がり難い。

理想と現実とのギャップにぶつかった瞬間でした。
(このギャップとどう向き合ったかは、また別の話題になるので、いつか別途エントリーを書きます。)


フェアトレードが取り組むBottom of pyramidの世界でも、貧困が広がる速度は、人口の増加に伴い必要とされる職が足りなくなっていく速度は、富が流れ込む速度を遥かに上回っているそうです。

フェアトレードが、貧困が広がる速度を超える速度で成長できなければ、貧困をなくす手段にはなりえないのです。

では、フェアトレードは無意味なのかというと、全くそんなことはありません。

外科医が一度に一人の患者しか助けることができず、100万人の病気を治すことができなくても、外科医の仕事の素晴らしさが色褪せるわけではないのと同じです。


フェアトレードは、確かに多くの人を貧困の悪循環から抜け出る手助けを可能にし、何より、先進国の恵まれた人たちに対して、社会に貢献する機会を与えてくれます

このポイントが、フェアトレードが求められている真の理由、フェアトレードならではの存在意義だと思います。

つまり、今の世界では、先進国の豊かな人々というのは、「何か世界の役に立つことがしたい」「格差や貧困というものに知らぬふりをしていたくない」という価値観が広がってきています。

いわゆる、ノブレス・オブリージュの精神が、先進国の一般の層に浸透してきています。


そんななか、かつては寄付やチャリティという手段でその価値観を満足させてきたところ、寄付では問題の根本解決には至らないという認識が徐々に広まってきたこともあり、寄付に代わるより根本に近いところで問題を支援する機会が求められきました。

そういう人々の問題意識をさらに高め、そしてその意識に応える。これがフェアトレードのサービスの中身と言えないでしょうか。

結果としてはじめて、フェアトレードを主催する団体などが望む支援的な効果を発揮できます。

フェアトレードは、もっとこの点を全面に押し出しても良いのではないかというのが私の意見です。


そして、私が前回の記事で、フェアトレードの存在意義の位置づけがズレているのでは、と書いたのはこの点のことです。

つまり、フェアトレードは、MDGsの達成に貢献するというような、世界的な貧困に取り組むビジネスと位置づけるよりも、豊かな時代ゆえに生まれてきた、「社会貢献したい」という新しいニーズに応える存在と位置づけるほうが、その実際に即しているのではないかと。
(女性の参加や、持続可能な製品づくり云々の部分はMDGsとマッチしているが、大きな潮流になりにくい)

フェアトレードはそれ自体が経済的に優れた仕組みなのではないので、意識的に多大な努力を払ってムーヴメントにしなければ広がれません。無理があるから、無理をしないと広がらない。ロハスや、動物愛護運動のようなものに近いのかもしれません。


では、何が世界的な問題に取り組める手段なのか。
根本的に問題に取り組み、且つ大きな広がりを期待できる手段とはどういうものか。

結論から言ってしまえば、以前「貧困層に購買力は無いか。」というエントリーで書いたようなことなのですが、これについてはまた別のエントリーで整理して書きたいと思います。

posted by miyohiro at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネスコレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月01日

フェアトレードは誰のためのビジネスか。1−サフィア・ミニーさんへ

前回、フェアトレードというビジネスを紹介する記事を書きました。


今回は、先日サフィア・ミニーさんという、前回の記事でも紹介した日本のフェアトレードの第一人者の一人とも呼べる方とお会いし、少し意見を交換する機会があったので、その際に思ったことを書こうと思います。

私が参加したのは、サフィアさんが、サフィアさんの事業と支援しているバングラデシュのアパレル工場の事業を紹介するセミナーのようなものでした。その時の様子を、サフィアさんご本人がブログに書いています。


http://www.peopletree.co.jp/cp-bin/blog/index.php?eid=67


この記事でも触れられていますが、サフィアさんたちは、フェアトレードがMDGs(ミレニアム開発目標)の達成に重要な役割を果たすと述べています。


外務省ウェブサイト MDGs(ミレニアム開発目標)とは:
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html



この場の質疑応答で、自分も質問させてもらったのですが、会場の使用時間が過ぎてしまい、回答を得られないまま終了してしまいました。


回答は、ブログで書くからと言われ、実際に書いてくださったのが上記の記事です。


ただ、その時はブログの記事を待てず、他にも聞きたいことがあったので、帰り際にサフィアさんを捕まえて、10分ほど意見交換の時間を頂きました。


後で詳述しますが、フェアトレードというビジネスモデルに対して、ある問題意識を持っていたので、それに対する意見を実際の実行者から聞きたかったのです。


サフィアさんのブログでも取り上げてもらった質問ですが、私の意図を端的に言うと、

「フェアトレードは少数の先進国の人々からお金をもらい、少数の貧しい人々を支援しているならば、世界の貧困に取り組むという大きな目標に対して、あまりにも効果が薄いのではないか」

ということです。


これに対して、サフィアさんは、


>小規模グループの継続的な支援を通して、生産者の活動の幅を少しずつ広げていくことができます。


>立場の弱い小規模グループの生産者に仕事の機会を創り出し、手仕事の伝統技術を活かした商品作りを通して、自立支援をする必要があるのです。


>そういった状況を私たちはただ気の毒に思うのではなく、行動に移して、貧しい農民やそういった人びとを支援する団体から商品を購入することによって支援できるのです。


と、このように答えています。


言うまでもなく、これは素晴らしい取り組みです。私も憧れる、フェアトレードの真髄です。


しかし、私の疑問とは、こういう取り組みを行なっているということを知った上でのものなのです。


こういう取り組みで貧困から脱することができる人々もいる。


しかし、それができるのは、こういったフェアトレード団体に手を差し伸べられた人々だけなのではないか。


最初は少数の人しか支援できなくても、いずれは大きな人数に対して大きな影響力を持っていくという考えなのでしょうか。



しかし、フェアトレードというモデルにおいて最も問題なのは、それが「経済的に合理的ではない」という点です。
経済的に合理的でないものが、広がっていくことはとても困難です。


まずフェアトレードの負の側面として、買い付けにおいてフェアトレードがすることというのは、言ってしまえば人為的な価格維持です。

価格維持によって守られる産業は長期的に需給バランスへの対応力を弱め、競争による改善インセンティブを弱め、しいては市場の中での競争力が弱まっていくというのが、市場原理というものです。


そして消費の観点から言えば、そもそもなぜ、人々がわざわざ安くない値段のフェアトレード製品を買うことになるのか。


サフィアさんは「本来支払われなくてはならない環境コストや、人権を守るためのコストを、これからの消費者は負担しなくてはならないのだから、単純に高いというわけではない」と反論されました。


しかし、必要なコストを含めなくてはならないから高くてもいい、というのであれば、世の中の製品やサービスというのは際限なく高くなっていくだけです。


それでは、売れるものも売れなくなってしまうのではないでしょうか。

通常の企業であれば、新しい価値を生み出しつつ、価格が上がらないような努力をするのではないでしょうか。


フェアトレードで言えば、「環境コストも人権コストも含んだ、なのに、従来よりも断然安い。」こうなって初めて、「イノベーション」と呼べる気がします。


もしこういったイノベーションが無く、意義のある消費という点だけが魅力となり、従来よりも高い価格で買っても良いと思える層というのは、世界を見渡して、どれほどいるのでしょうか。


貧困という問題の巨大さを考えると、悲しいことにこれはとても小さなパイであり、そこから集められるお金の量では、手を差し伸べられる範囲の人々しか支援できないのではないか、というのが私の見方です。



誤解の無い様に言いますが、私はフェアトレードそのものは支持しています。

ただ、その意義の位置づけがズレているのではないか、という(瑣末と言えば瑣末な)問題意識を持っています。


長くなってしまっているので、フェアトレードの特徴や、それをどう捉えるかという問題を整理した記事をまた書こうと思います。

 
<追記 2008/10/02>
この記事の続きを
http://blog.huojin.com/article/107473363.html
に書きました。
 
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2008年09月26日

フェアトレードというビジネス

フェアトレードというビジネスがあります。

生産者の利益に立った、従来の貿易とは少し違う考え方で商品の買い付け、
流通、販売を行なう貿易形態です。

詳しくは、上手に解説をまとめたサイトがあるのでそちらを参照して頂くとして、

簡単にまとめると、

フェアトレードの特徴とは、

・生産者の生活を守るために、通常の貿易よりも大きな額で買い付けをする。

・子供の不正就労を認めなかったり、女性の雇用を積極的に創出したりと、人権と
弱者の雇用を保護する。

・長期的に生産が可能であるように、環境保護の観点を入れた生産方法など、
持続可能な生産体制を築くことを目指す。

・店頭に並ぶ際には、それがフェアトレードの産物であることが明示される。

というような感じです。世界の歪んだ格差に取り組む解決手法として、普及が期待されています。

解説サイト:
All About -アンフェアは誰?フェアトレードを知ろう!
http://allabout.co.jp/family/volunteer/closeup/CU20060426A/index.htm

わかちあいプロジェクト -フェアトレードとは?
http://www.wakachiai.com/shop/fairtrade.html

ウィキペディア -公正取引
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E5%8F%96%E5%BC%95


フェアトレードによって届けられている製品は、今では結構目にします。

スターバックスやイオンなどで、少し前から普通のコーヒー豆や紅茶に紛れて並んでいるのを
見たことがある人もいるのではないでしょうか。


また、日本のフェアトレード界の中でも特にキャッチーな方々がそれぞれ本を出して注目されたので、
それによってフェアトレードの認知が少し進んだというのもあると思います。

People Tree社のサフィア・ミニー社長
「買い物で世界を変える」 People Tree ウェブサイト
http://www.peopletree.co.jp/


マザーハウス社の山口絵理子社長
株式会社マザーハウス ウェブサイト
http://www.mother-house.jp/


フェアトレードをオシャレと結びつけ、若い人々の関心を集めた功績は大きい。


簡単にフェアトレードを紹介しましたが、フェアトレードという世界がもたらすものの本質はこうです。

フェアトレードは、自分のお金を何に使うのか、消費という意思表示で、どんな責任を果たすのか。
それを消費者に問いかけるビジネスです。

1000円の普通のコーヒー豆と、1200円のフェアトレードコーヒー豆が並んでいる時に、
どちらを買うのか。

前者のコーヒー豆が、労働者の搾取と人権侵害と、環境破壊の上に成り立っているとしたら、
200円多く支払ってフェアトレードコーヒーを購入することで、生産者と環境を守るコストも負担する、
そういう意思表示を行なうことなのです。


私は、学生の頃このビジネスを初めて知った時、あまりに感動して、将来は必ずフェアトレードの
事業を自分で興して実践すると決めたほどでした。

現在行なっている事業を起業した際も、フェアトレードに少しでも繋がる事業がしたいと考え、
また成功したらその資金でフェアトレードを始めるのだと思っていました。

しかし、最近ちょっと違う考えを持っています。

これについて、また別途エントリーを書きたいと思います。

<追記 2008/10/01>
この話の続きを
http://blog.huojin.com/article/107410207.html
に書きました。
 
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2008年09月18日

ホームレスを無くすビジネス2

前回の記事で、ホームレスをビジネスの手法で減らす活動をしているロザンヌ・ハガティーさんを紹介しました。

今回は、ロザンヌさんと交わしたやりとりについて書きたいと思います。

前回の記事でも少し触れましたが、私の知人に、東京新宿でホームレス支援の活動をしている女性がいます。彼女が現在取り組んでいる活動は、着想と、事の本質が、ロザンヌさんの手法と非常に似通っています。

この方の紹介を、後日個別のエントリーで詳しく記したいのですが、とにかくその方が言っていたことでとても印象に残っていたことがありました。

それは、今東京のホームレス支援者の傾向は大きく二つに分かれていると感じること。

ホームレス問題そのものを根本的に解決したいと志向する人と、

ホームレス支援を自分のアイデンティティの表現にしている人。

彼女が日々様々な困難にぶつかる中で、感じていることだそうです。

そして時に、後者の人々が、必ずしも良き協力者となれていない現状があるようです。


そこで、この問題をロザンヌさんにぶつけてみました。

後者の人々も、本質的には善意の人々であるはずです。

では、どうすればそういった人々を、本来協力が必要な方向へ巻き込んでいけるのか。

ロザンヌさんも、やはり同様のことを感じながら、長い間悩みながら活動していたそうです。

例えば、彼女が直面した事例で、ある教会が、「教会の玄関前の階段でホームレスが寝ることができる権利を保証するように」と行政を訴えたそうです。

行政が、ホームレスの人々の立ち退きを強制的に行おうとしたことに対する対抗措置なのですが、ホームレスの人々を救うために、この教会の代表の女性は「路上で寝る権利を保証」しようとしてしまっているのです。

ロザンヌさん達には、この主張が本末転倒であることは明らかだったので、この女性に根本的解決の必要性と、それに対してどう動いていけばよいか、語りかけ続けました。

最後には、この女性は自身の方向性の歪みに気づき、どうしてもっと早く正しい方向性に力を注げなかったのかと、泣き出してしまったそうです。


こういった現象は「goal displacement(目標置換:目標達成の手段が目的そのものよりも重要になってしまうこと)」として知られているそうですが、

そういった人々に、「あなたは間違っている」と指摘することは良い結果を生まないとロザンヌさんは言います。

「そういう方法よりも、こういう方法を取ることで、このような結果が得られるよ」と、代わりに何ができるかを、粘り強く示していくことが重要だと、ロザンヌさんは感じているそうです。

どのように働きかけていけば、こういった善意の人々が力を発揮できるか、その仕組みを考えて整えていくことが重要です。


講演会の後には、交流会の場が設けられ、そこでもロザンヌさんと数十分に渡り意見交換をすることができました。

ここでも、東京新宿での取り組みや、そこで何ができるか、またはどういったことでその障害を乗り越えることができそうか、色々と意見を頂きました。

彼女が強調していたのは、大切なのは「Will to Politics」であるということ。

つまり、政治的に動くことを厭わず、適切な人物へのアプローチ、適切な場での政策提言など、単に理想を掲げるだけでなく、それを実行に移し、様々な企画に行政を巻き込んでいく政治力学の応用が、もっともっと必要だと言うことです。

確かに、日本には多くの志高い活動家が多くいるとは思いますが、政治・行政に食い込んでいけるほどの活動ができているところがどれだけあるか、まだまだ少ないように思います。

この点は、非常に得心のいくアドバイスであり、早速意識していこうと思うと共に、周りの起業家達にも伝えていきたいと思います。


このロザンヌ・ハガティー氏は、素晴らしく聡明なだけでなく、非常に謙虚で誠意的な方でした。想像を遥かに凌駕する、事業家としても一人の人間としても、心から尊敬に値する方でした。ちなみにこのロザンヌさん、写真で見るより何倍も美人だったのでちょっと驚きました。

現在、このロザンヌさんと、冒頭の東京新宿でホームレス支援を行っている女性を繋げて行きたいとやり取りを進めていますが、また何か進展がありましたらここでも報告します。

posted by miyohiro at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネスコレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月16日

ホームレスを無くすビジネス

先週金曜日、アメリカの社会起業家の旗手とも言うべき存在である、ロザンヌ・ハガティーさんの来日講演に出席してきました。

社会起業家についてのウィキペディアの記事↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6

ロザンヌさんが代表を務めるNPO法人コモングラウンドでは、ほぼ廃墟となり犯罪の温床となっているような建物を買い取り、綺麗なマンションへリノベートし、ホームレスの人々が「収入の3分の1」という特殊な家賃体系で借りられる、という事業を展開しています。

ホームレスの人々に必要なのは、「ホーム」である、というロザンヌさんの信念を、自ら具現化した事業です。

この事業は、今多くの賛同と資金を集め、多くのホームレスを助け、多くの収益を上げている、非の打ち所のないビジネスへと成長しています。

コモングラウンド ウェブサイト
http://www.commonground.org/Japanese/

今回は、私の知人にまさに日本版ロザンヌ・ハガティーと呼べる(と私が勝手に思っているのですが)、東京新宿のホームレス問題解決に取り組む女性がいて、彼女の事業は思うように行っていないところがあるため、是非ともその元祖であるロザンヌさん本人に会って話がしてみたかったのです。

話の内容でとても印象的だったのが、彼女のビジネスモデルはたった一枚の紙で説明できる、というくだりでした。

その一枚とは、ホームレスの保護に行政やその他の団体が費やしているコストと、コモングラウンドが費やしているコストの比較のグラフです。

数字を失念してしまったのでウェブで探してみたところ、当日同じ講演に参加されていた方のブログにありましたので参考させて頂くと

病院に収容すれば年間40万ドル、
刑務所に収容すれば年間6万ドル、
市が提供するシェルターに収容すれば年間2万ドル
のコストになるところ、
コモングラウンドの方式では、年間1万ドル強で収まる、という内容です。

また、「ホームレスをホームレスでいさせることで発生している」コストが、ホームレスを無くすために必要なコストに比べていかに大きいかを示すデータもありました。

際立っていたのは、徹底的にデータで現象と主張を示し、説得力を持たせていたところです。
彼女のベースには、それは暖かい想いが流れていることが感じられるのですが、行政や金融機関との交渉の席に見せるのは、この徹底したビジネス思考なのでしょう。

この点が、ロザンヌさんが他の慈善事業やボランティアとは一線を画している要因の一つだと思います。


次回は、ロザンヌさんと交わしたやりとりについて書こうと思います。



ロザンヌさんの略歴:
(今回の講演の案内として送られてきたメールの紹介文及び画像を転載します。)


……………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥‥……………………rosanne.jpg
◆Rosanne Haggerty
(Founder and President, Common Ground )


 ホームレスへの支援を通じて、地域社会の活性化に貢献するプログラムを独創的な手法で実現している、コモン・グラウンドの創業者、ロザンヌ・ハガティ氏。

 名門アマースト大学を主席卒業後、ニューヨークの教会で1年間ホームレス支援のボランティアをしていたハガティ氏は、このままでは問題の根本的な解決にはつながらないと考え、一つのアイデアを思いつく。それはニューヨークの中心、タイムズ・スクエアにある中古ホテルを改装し、ホームレスに安価で住居を提供、同時にヘルスケア、就業支援サービスを行うというものだった。

 何のバックグラウンドも資産も持たない氏は、その資金の融資を市に申請。粘り強い交渉の末、市長直々から融資の承認を受けたコモン・グラウンドの取り組みは、現在ではニューヨーク市を中心に他地域にも展開し、その規模は2000室以上に及ぶ。そして、最初に取り組んだタイムズ・スクエア周辺では、ホームレスが87%減り、同時に犯罪率も激減(殺人100%、窃盗80%減少)、安全な街として不動産価値も大きく上がり、地域に貢献するなど、大きな成果を生み出している。

 また、この取り組みのもう一つの側面は、その事業性。非常に快適な部屋や充実したサービスを提供しながらも、市がシェルターや刑務所、病院でホームレスを受け入れるコストよりも格段に低いコストで運営を実現。

 その一方で、年間収入1500万ドル(うち事業収入が7割)、収益118万ドルを実現している。上記の犯罪率の低下など、見えづらい活動の成果を数値化し、コミュニケーションすることで社会的投資を呼び込むという事業的方法論を用い、効率的な運営を進め、同時に、持続的に活動が行える体制を整え、社会課題をその根本から解決する活動を大きく展開する、まさに事業と社会性を融合させた社会起業家の好事例であるといえる。

 2000年以来、度々来日し、日本の社会や文化に特別な思い入れを持つ。

……………………‥‥‥‥‥‥・・・・‥‥‥‥‥‥……………………



ロザンヌさんの活動・軌跡については、日本の書籍では、下記がおススメです。
続きを読む
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2008年09月03日

太陽電池ビジネス-NPC-

最近、どこへ行ってもグリーンテック(環境関連技術)の投資が熱いという話を聞けますが、先日そのグリーンテックの代表格である太陽光発電技術に関わる企業の話を聞くことができました。

太陽電池の製造装置を開発・販売している株式会社エヌ・ピー・シーの橋本専務の話だったのですが、同社は太陽電池モジュールの製造装置で世界トップシェアを誇り、同業界で数々の世界標準を打ち出しています。

太陽光発電と言えば、私が子供の頃から既に未来のエネルギーとして知られていました。

今ではよりクリーンなエネルギーとして、風力発電や燃料電池など、いくつかの種類の技術が有力視されていますが、依然として太陽光発電はそのクリーンさから、クリーンエネルギーの代表格とされています。

同時に、数十年前から技術としては世に出ていた太陽光発電は、いつまでたっても実用化されない印象もありました。

太陽光発電はエネルギーの変換効率が悪く、生産される電力に対して発電コストが高すぎたためです。
これまで何度か太陽電池ブームが起こったそうですが、結局高すぎるコストを実用レベルにまで下げるに到らず、未だ実用化できずにいるそうです。

橋本氏によると、まだまだ太陽光発電による電力のコストは、既存の電力インフラと競争できる水準にまで下がっておらず、今後もしばらくは既存の電力インフラを完全に置き換えるような存在になることはないという認識とのこと。

しかし、一方で、5年以内にこの太陽光発電の発電コストと電力売上が同等になる、つまり太陽光発電が史上初めて電力ビジネスとして採算に乗る状態になると見込まれているそうです。これを「グリッドパリティに達する」と言うそうです。

この点の詳しい解説は下記リンクを参照ください。
「太陽光発電:5年後にグリッド電力と競合へ」
http://www.sijapan.com/issue/2008/05/lo86kc0000001bh8.html

一旦グリッドパリティが達成されれば、太陽電池への需要は爆発的に伸びると予想されています。冒頭のnpc社はその時代を見据えて、十数年前から準備を進めてきたというのですから、その忍耐力たるや凄まじいものです。

また、話は変わりますが、橋本氏の話の中で特に面白いなと思ったのが、太陽電池の国際取引では発電装置にいくら製造コストがかかったかや、どのような機構でつくられているかなどは、太陽電池の価格には影響せず、価格を決定するロジックはシンプルに、1wattいくら、という計算だそうです。

つまり、その太陽電池が出力できる電力に応じて、価格が自動的に決定される仕組み。

この仕組みであれば、メーカーにはとにかく電力の変換効率を高めたいという開発上のインセンティブが働きます。

このような「価格」という非常にシンプルで明快なビジネスの指標で、業界そのものが目指す方向性を決定付け、導いているのは本当に素晴らしいと思いました。

電力業界に限らず、このように参加者へのインセンティブがそのまま実現したい目標と結びつくような仕組みづくりが可能な場面というのは数多くありそうです。

太陽光発電そのものの実用化が近いという話だけでも面白かったのですが、業界特有の採算に対する考え方や予想の立て方、未来を実現する仕組みづくりなど、ビジネスの講義としても非常に有意義なお話でした。
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2008年08月05日

Google Mapストリートビュー

Googleがgoogle map street viewの日本語版をリリースしました。

下記は、フオジン東京三田オフィスの場所を、ストリートビューで示したものです。写真が見えますでしょうか?
写真中央部の6階建てのビルが弊社が入居する塚田ビルです。入り口の赤い幌が目印です。

フオジン東京三田オフィスをグーグルマップ・ストリートビューで見る。

大きな地図で見る
この写真は、マウスでドラッグし、ほぼ全方向を見渡すことができます。マウスでぐりぐり動かしてみてください。
また、道路部分に表示される方角をクリックすることで、道路の景色を辿ることができます。

とんでもないサービスです。よくこんなことを思いつき、そして実行してしまったものだと、googleの実行力には舌を巻くばかりです。

このサービスによって、目的の場所へ最寄の駅からどのようにいくか、何を目印に角を曲がるかなどを、事前にウェブ上で確認することができるようになりました。

初めていく場所でも、待ち合わせ場所を具体的に指定することなどもできそうです。

他にも便利な使い方があれば是非教えてください。


このサービスの問題は、やはりなんと言ってもプライバシーの問題のようです。
アメリカでは、毎日のように訴訟を受けているとか。

このサービスでは、道路から見えるあらゆるものが写真となってウェブ上で全世界に公開されてしまいます。

googleでは、人の顔や車のナンバープレートなどをぼかす処理を加えたり、不適切な画像を細かく報告し、対策を打たせる仕組みなどを整えているようですが、サービスの範囲はあまりにも広範で、プライバシーの問題を完全にクリアすることは極めて困難でしょう。

プライバシー保護団体はgoogleの方針を問題視し、批判活動を展開しているようです。

「Google幹部の自宅をプライバシー保護団体がさらしものに-IT Media News」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0808/04/news026.html

Googleのミッションの一つには、「邪悪にならない」というとても立派なものがありますが、googleサービスの一ファンとして、google社には倫理問題を正攻法でクリアしていって欲しいと思います。
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2008年04月30日

カテゴリー説明:ビジネスコレクション

このカテゴリーでは、私が面白いと思ったビジネスモデル、製品、サービス、アイデアなどを紹介していきます。
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フオジンオフィシャルウェブ:http://www.huojin.com
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