2008年09月03日

太陽電池ビジネス-NPC-

最近、どこへ行ってもグリーンテック(環境関連技術)の投資が熱いという話を聞けますが、先日そのグリーンテックの代表格である太陽光発電技術に関わる企業の話を聞くことができました。

太陽電池の製造装置を開発・販売している株式会社エヌ・ピー・シーの橋本専務の話だったのですが、同社は太陽電池モジュールの製造装置で世界トップシェアを誇り、同業界で数々の世界標準を打ち出しています。

太陽光発電と言えば、私が子供の頃から既に未来のエネルギーとして知られていました。

今ではよりクリーンなエネルギーとして、風力発電や燃料電池など、いくつかの種類の技術が有力視されていますが、依然として太陽光発電はそのクリーンさから、クリーンエネルギーの代表格とされています。

同時に、数十年前から技術としては世に出ていた太陽光発電は、いつまでたっても実用化されない印象もありました。

太陽光発電はエネルギーの変換効率が悪く、生産される電力に対して発電コストが高すぎたためです。
これまで何度か太陽電池ブームが起こったそうですが、結局高すぎるコストを実用レベルにまで下げるに到らず、未だ実用化できずにいるそうです。

橋本氏によると、まだまだ太陽光発電による電力のコストは、既存の電力インフラと競争できる水準にまで下がっておらず、今後もしばらくは既存の電力インフラを完全に置き換えるような存在になることはないという認識とのこと。

しかし、一方で、5年以内にこの太陽光発電の発電コストと電力売上が同等になる、つまり太陽光発電が史上初めて電力ビジネスとして採算に乗る状態になると見込まれているそうです。これを「グリッドパリティに達する」と言うそうです。

この点の詳しい解説は下記リンクを参照ください。
「太陽光発電:5年後にグリッド電力と競合へ」
http://www.sijapan.com/issue/2008/05/lo86kc0000001bh8.html

一旦グリッドパリティが達成されれば、太陽電池への需要は爆発的に伸びると予想されています。冒頭のnpc社はその時代を見据えて、十数年前から準備を進めてきたというのですから、その忍耐力たるや凄まじいものです。

また、話は変わりますが、橋本氏の話の中で特に面白いなと思ったのが、太陽電池の国際取引では発電装置にいくら製造コストがかかったかや、どのような機構でつくられているかなどは、太陽電池の価格には影響せず、価格を決定するロジックはシンプルに、1wattいくら、という計算だそうです。

つまり、その太陽電池が出力できる電力に応じて、価格が自動的に決定される仕組み。

この仕組みであれば、メーカーにはとにかく電力の変換効率を高めたいという開発上のインセンティブが働きます。

このような「価格」という非常にシンプルで明快なビジネスの指標で、業界そのものが目指す方向性を決定付け、導いているのは本当に素晴らしいと思いました。

電力業界に限らず、このように参加者へのインセンティブがそのまま実現したい目標と結びつくような仕組みづくりが可能な場面というのは数多くありそうです。

太陽光発電そのものの実用化が近いという話だけでも面白かったのですが、業界特有の採算に対する考え方や予想の立て方、未来を実現する仕組みづくりなど、ビジネスの講義としても非常に有意義なお話でした。
posted by miyohiro at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネスコレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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