時には足元を見ることが大切だ。何かを見落としてきたなら、それを拾い上げるためにも。
私の高校時代の恩師、長谷川彦次元慶應ニューヨーク学院空手部監督の言葉です。
わき目も振らずに目標に突き進むときというのは、高揚感と充実感で満たされ、ある意味で心地のよい時間です。
人より何かが上手くできるとき、自分の思ったとおりに事が運ぶとき、障害と言う障害が自ら道を避けていくとき。
そんな万能感すら感じられるときというのが、極たまにありますが、そんなときこそ、この言葉を思い起こしたい。
また、日々時間を過ごしていく中で、徐々に感性というものは刺激に慣れていってしまい、色々なことに鈍くなっていってしまいます。たまに、そういう自分に気づくことがあります。そんなときにも、この言葉を思い起こしたい。
折に触れて、思い起こすことが多かった、長谷川監督の言葉。
高校卒業時に、卒業生に向かって贈ってくれた言葉でした。それは私に宛てた言葉ではなかったかもしれません。
(私に宛ててくれた言葉は、「ナンバーワンより、オンリーワンを目指せ」というものでした。)
けれど、この言葉が、その後自分を幾度となく戒めてくれたのでした。
長谷川先輩は、昭和9年に生まれ、昭和32年に慶應義塾大学並びに塾体育会空手部を卒業され、その後単身アメリカにわたり、いくつもの紆余曲折を経て、ご自身の会社を経営する傍ら、十数年前から慶應ニューヨーク学院で空手部を指導されました。5年ほど前に脳溢血で倒れられ、監督を勇退されましたが、その後も持ち前の精神力と努力で驚異的な回復を見せたと聞きました。
そして、先週、平成20年7月17日にご逝去されたと知らせを受けました。
空手部に今でも残る伝統や伝説の数々を築いてこられ、私やその他の部員が空手を通じて様々な財産を得るきっかけをつくってくださいました。塾空手部との出会いは、私の生涯の最大の財産の一つです。
長谷川先輩のご冥福を、心よりお祈り致します。
2008年07月24日
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