先週日本の公的年金の運用で、5兆円以上の損失を出したという報道があり、日本の年金運用のあり方について議論が活発になっているようです。
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公的年金、運用損失が最大 07年度5兆8000億円>
上記NIKKEI NETの記事の要点は、世界的株安の直撃で、運用利回りがマイナス6.41%になり、その評価損が5.8兆円になる、ということです。
やはりというかなんというか、ネット上のブログやニュースサイトのコメント等を見る限り、叩かれまくっています。
年金の元本を毀損するなんてとんでもない、という論調が主流でしょうか。
たしかにこの数字はインパクトがありますが、この年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のHPにある業務概況書によると、直近5年間の運用実績はプラス4%にもなるそうです。150兆円ある年金資産のうち、約90兆円が現在市場運用の対象ですから、継続して2〜4兆円の運用益を上げていることになります。
こういったプラスの面は、なかなか報道されないようですね。
実はこのニュースの一日前には、公的年金をより積極的に運用していこうとする、SWF(政府系ファンド)設立提言の中間報告が出ています。
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日本版SWFの設立を提言、公的年金を10兆円規模で=自民検討チーム>
上記ロイターの記事の要点は、世界の金融強国がそうしているに、日本にもプロ集団による政府ファンドを設立しようという動きが自民党内で活発になっている、という内容です。
自民党の主張としては、現状のGPIFのスタッフは専門性に欠けるので運用力に疑問がある、ということと、国債中心の運用手法から脱却しなければならない、ということのようです。
賛成意見としては、やはり日本が誇る世界最大の金融資産を、もっともっと活用し、得られるはずの利益をしっかり得ていくべき、という考え方。(日本の金融資産総額はアメリカのそれの約5倍)
反対意見としては、年金などの繊細な感情が絡む資金でリスク運用を取ることに対する反感と、プロや外国人ファンドマネージャーなどが、どういうお金の使い方をするかに対する不信(資金の国外流出など)。
こんなところでしょうか。ちなみに私は賛成派です。
こんなタイミングで出たのが冒頭の運用成績の記事でした。一見GPIFを叩く内容ですが、この記事を受けて、より慎重になってリスクを抑えた運用にするべき→SWFなどもってのほか、という論調が出てくることは容易に想像できます。
何か恣意的なものが感じられてなりません。
この低金利の時代に、平均して4%という運用益をあげるGPIFも実はそこそこ優秀なように思いますが、それにしてもあまり未来に期待を持たせてもらえる投資内容ではありません。
年金の6割以上が国債で運用されているという事実は、それこそ私達の年金が国の借金のカタにされているということと同義です。
政策金利が違うので単純な比較はできませんが、アラブのアブダビ投資庁は日本と近い100兆円規模の資金を、なんと16%もの好成績で回しているそうです。
カタールでは、政府が運用で得た収益を、全国民で山分けし、一人あたり600万円を配ったそうです。
国民一人当たりの借金が600万円ある日本とはまさに正反対ですね。
そこまでいかなかったとしても、これに近い運用が日本でもできたとすれば、日本は消費税を上げないどころか、無くすことすらできるといいます。
国民としては、SWFであってもGPIFであってもいいんです。
何のために、どんなお金を使って、どの程度のお金を作るつもりなのか。
年金に期待を抱けない若者に未来への道筋をしっかりと見せる意味でも、政府は明確で魅力あるビジョンを見せて欲しいと思います。
そして私は、そのビジョンをしっかりと示してくれるほうを、やはり応援したいと思います。
年金、今のままではどっちにしてももらえるか分からないですしね。
posted by miyohiro at 18:32|
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